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138話 使ってみた感想

Author: 八月 猫
last update publish date: 2026-09-25 09:00:29

 書店の二階へ上がると、展示室には前より少しだけ人が多かった。

 仕事帰りらしい人。

 年配の夫婦。

 小さなノートを持って写真を見ている女性。

 白い壁に並ぶ写真と、そのそばに置かれた器。

 一度見た景色なのに、今日は少し近く感じた。

 私は最初の展示からゆっくり見ていった。

 朝のテーブル。

 白い皿のトースト。

 台所の深い鉢。

 夕方の丸いテーブル。

 余白の席。

 前に来た時は、器を選ぶ前だった。

 今日は違う。

 私はもう、あの小さな深皿を自分の部屋で使っている。

 ヨーグルトを入れた。

 ブルーベリーをのせた。

 トマトのマリネも入れた。

 食器棚の白い器の隣に置いた。

 そのせいか、展示の中の器もただ見るものではなく、これから使われるものに見えた。

 棚に並んでいる時の静かさ。

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